Art Point Picks
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[ Keith Tyson Website ]
2002年にターナー賞を受賞したイギリス人アーティスト、キース・タイソン。ペインティングからインスタレーション、立体など垣根を飛び越え様々な表現をして来た彼の作品には、しばしば人体解剖図や機械の製図、分子構造図といった科学や哲学の要素が入っており、1991年には『Artmachine(アートマシーン)』と呼ばれるようになった。まるで科学者のような彼のウェブページには不思議な空気が流れる。Webサイトのアカデミー賞と呼ばれるWebbyアワード2008でアート賞を獲得したこのサイト。一歩踏み込みそこを見渡せば、宇宙空間に投げ出された様な光景が広がり、点々と存在する星々の中にいくつもの惑星が浮かぶ。宇宙旅行をする様にひとつの惑星に降り立ってみれば、そこには今まで生み出された彼の作品群が並び、ひとつひとつをじっくりと鑑賞することができる。それぞれの惑星ごとにバリエーションを持ち、観る側を飽きさせない造りで、このページも一つの作品と昇華している。
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様々な表情を見せてくれる作品群にとって、宇宙という場所がぴったりの舞台となっている。 -
[ American Folk Art Museum ]
アメリカ、ニューヨークにあるアメリカ民芸を扱う博物館。隣に建つ、世界的に有名なMOMA美術館に気を取られてあまり知られていないかもしれない。
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ここでは、農作業の合間に描かれた愛する家族の肖像や何十年も暮らした街の風景画、一針一針丁寧に縫われたキルト、街の店先に飾られていた看板などが所蔵されている。これらは一見素朴に見えるが、アメリカ史にとってはかかせない民俗芸術として確立されたアートである。また、コレクションにはアウトサイダー・アートの代表的作家Henry Dagerの小説やその挿絵などの作品が豊富に取り揃えてあり、このサイトでもたくさん閲覧できる。こういった伝統的な文化、芸術作品を取り扱う美術館はこれから先も必要不可欠であり、また多くの目に触れる事が大切だ。このサイトでは、なかなか触れ合うことのない、海の向こうの民俗芸術をたくさん眺めることができる。 -
[ CAMP FIRE ]
作品制作だけではなく、展示を行ったり、作品集を作る事もアーティストの活動であり、アートは人や社会と関わってこそ成立する。特に近年は、より人との繋がりを感じる活動をするアーティストが増えてきたが、そういった活動の過程において、観る側の自分は関係がないと思っている人は多いのではないだろうか。今や気軽にアーティストの「パトロン」になれる時代だ。
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このサイトは、アーティストが提案したアイデアを実現するための創作費用を、共感した人が誰でも、少額から支援を行う事ができるクラウドファンディング型のウェブサイト。支援したパトロンは、アイデアの成果物や限定グッズ、さらには随時公開される近況報告といったプレミアムなリターンを手に入れることができる。 支援をしなくとも情報閲覧は可能で、企画段階のアイデアを観る事の楽しみを味わえる。「アーティストを支援する」という形でアートに関わることで、より身近に、今までとは違った角度からアートを楽しむことができそうだ。 -
[ Zeno X Gallery ]
アートを観ることは楽しい。日本中、世界中で無限に作家が活動していて、その表現方法も様々だ。良い作品は何度でも観たいものだし、多くの作品を観たいと思ってもなかなか難しいが、インターネットでギャラリー巡りというのもひとつの形ではないかと思う。ベルギーのアントワープにある、このギャラリーのサイトは見応えがある。
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このギャラリーには、リュック・タイマンスやマルレーネ・デュマスといったよく知られる作家や、日本人では川原直人など、23名のアーティストが所属していて、彼らの作品が観ることが出来る。前述の実力派の作家から、ラウル・デ・カイザーなどの抽象作家、立体作家と、現在活躍中の作家陣を幅広く扱っている事も魅力だ。こういった方法で、国内に留まらず、最新の作家にどんどん触れてみてほしい。 -
[ artscape ]
当サイトは、開設から15 周年を迎えた大日本印刷株式会社が運営する美術情報満載のwebマガジン。美術館データベース、展覧会のニュースとレビュー、美術用語集などの総合的な情報を提供している。
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展覧会情報はもちろん、他のアート情報サイトにはない独自の切り口からアートを読み解くようなコンテンツが充実している。「スタディ」のコンテンツ中にある「アート・アーカイブ」では、主に日本の古典から現代までの様々な絵画鑑賞の視座や注視点、美の探究に必要な知識や絵画の鑑賞方法を、高解像度の作品画像を観ながら得ることができる。また「アートプロジェクト探訪」では様々なアートプロジェクトの現場で、人々がどのようにかかわり、なにが起こっているのか。会期前後、なんでもない日のアートに目を向け、その裏側を見ることができる。 -
[ Gagosian Gallery ]
世界一パワフルなギャラリーとして常に世界中の注目を浴びる現代アートギャラリー。
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ガゴシアンギャラリーは80年代の中ごろにロサンゼルスでオープンし、1985年にはニューヨークにオープンして、東海岸、西海岸の双方に拠点を構えた。現在世界各国に支店を持つ。同ギャラリーのオーナーLarry Gagosian/ラリー・ガゴシアン(1945/4/19生、LA)は、UCLA卒業後、キャンパス周辺にて2ドルのポスターを15ドルで売り歩いたのがビジネスのスタート。当時のビッグアートコレクターらと共に取扱アーティスト、作品の価格を意図的に押し上げ、美術館レベルの展示会を開催し業界内で評判をあげ、1988年時にジャスパージョーンズの作品『False Start』を17億円にて落札し、現存する作品価格の過去最高値を付け話題をさらった。
同ギャラリーでの展示アーティストには、アンディー・ウォーホール、フランク・ステラ、ダミアン・ハースト、ジャスパー・ジョーンズなどなど多数。所属アーティストには村上隆、草間やよいなども名を連ねる。 草間やよいの価格が高騰したのもガゴシアンギャラリーへの所属が決まったことが一つの要因。 -
[ ART iT ]
『ART iT(アートイット)』は、日本とアジア=パシフィックのコンテンポラリーアートシーンのニュースを、日英バイリンガルで発信する現代美術情報ポータルサイト。2003年10月創刊のビジュアルな季刊雑誌『ART iT』が当ウェブサイトへ全面移行し、日々新たな動きを見せるアートシーンの変動をリアルに伝えている。
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「マガジン」「公式ブログ」「パートナーブース」「SNS」の4本柱から構成され、注目アーティストのロングインタビュー、アートに関する特集や展覧会フォトレビューなど、多彩で内容の濃いコンテンツが充実している。日本を含む世界18カ国での展覧会情報は、都市名や日程、キーワードで検索が可能。また、アーティスト、キュレーター、ギャラリスト、ジャーナリストなど、現代アート界のキーパーソンたちが綴る公式ブログもあり、シーンの第一線で活躍する人々の貴重な生の声に、気軽に楽しく触れることができる。 -
[ 原 美術館 ]
東京・品川の住宅街の中にある原美術館は、実業家原邦造の邸宅であった。その孫の原俊夫により、財団法人アルカンシェール美術財団を母体として1979年に私立現代美術館として設立された。
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モダニズムの面影をとどめるこの建物は、上野の東京国立博物館本館や銀座の和光本館(旧服部時計店)の設計で知られる当時の代表的な建築家の渡辺仁による設計で、1938年に建てられた。
原美術館は、現代美術の最新の動きを紹介する意欲的な展覧会を随時行っており、館内各所には、レイノー、森村泰昌、宮島達男などのインスタレーション作品がみられ、戦前の個人邸宅の雰囲気を残した建物と現代美術とが不思議に調和している。庭にも多田美波、関根伸夫などの作品が設置されている。
また、群馬県渋川市の伊香保グリーン牧場内にハラ・ミュージアム・アークを1988 年に開館する。以来、原美術館の別館として世界の現代美術を紹介してきたハラ ミュージアム アークは、創立20 周年を記念して、2008年、国宝・重要文化財を含む約120 点から成る古美術コレクション「原六郎コレクション」のための特別展示室「觀海庵」(かんかいあん)を増築した。
よく作りこまれたこのサイトには、イベント情報や、展覧会の舞台裏や作家たちの貴重なことばなど、現代美術をわかりやすく楽しむためのコンテンツなども随時公開している。